ソフォスでは、昨年の始めより RED 50 Remote Ethernet Device の RMA (返品) が増加していることに対して注意を払っています。
根本原因を調査したところ、当時最新の RED ファームウェアでアップグレードを実行すると、新しいファームウェアの書き込み時に RED 50 のフラッシュドライブ上にある不良ブロックが適切に処理されないことがわかりました。
不良ブロックとは?不良ブロックまたは不良セクタとは、ストレージメディア上で使用できなくなった領域を指します。通常は、書き込み/消去を一定回数繰り返した後に、セクタが消耗することによって、不安定になったり、使用できなくなったりします。これは正常な過程であり、ほとんどのストレージメディアではこうした経年劣化が生じ、なかには新品でもこのような不良ブロックが見られることがあります。通常、こうしたブロックは処理中に単にスキップされます。
RED 50 のケースでは、アップグレード処理後にファームウェアが起動しなくなり、RED 50 が動作不能に陥るという症状となって現れました。ソフォスではこの問題に対処するため、不良ブロックを適切に処理する新しい RED 50 のファームウェアを開発しました。このファームウェアは、2019年 7月に RED プロビジョニングサーバーに反映されると同時に、Sophos UTM 9.605 の一部としてリリースされました。
残念ながら、このアップデート版のリリース後も、RED 50 の RMA の件数は増加したままでした。原因の 1つとして、問題を修正する新しいファームウェアを書き込む際に古いファームウェアが使用され、そのファームウェアが不良ブロックの問題の影響を受けていることが挙げられます。結果として、新しいファームウェアへのアップグレード中に、問題に遭遇するお客様がいらっしゃいました。
一方で、新しいファームウェアにアップグレードした後、RED 50 デバイスがしばらく問題なく動作していたにも関わらず、後になってから故障したという報告も受けています。RMA で送付したデバイスについて詳しく技術分析を行った結果、以下の 2点を確認することができました。 a) これらのデバイスでは、元々のアップグレード時の問題は発生していない。すなわち、修正が正しく反映されている b) 時間が経過するに従って、これらのデバイスのフラッシュドライブで不良ブロックが発生するようになり、ファームウェアが起動しなくなった。
現在、サプライチェーンとハードウェアチームで連携のうえ、RED 50 のフラッシュドライブの故障率が予測を上回るかどうか調査を行っています。それと同時に、RMA で送付したユニットについても引き続き分析を進め、RMA の増加につながる潜在的な原因がないかどうかを確認しています。
お客様へのアドバイス
この問題に直面したお客様には、サポートに連絡するようご案内ください。サポートチームの担当者が、個々の状況に応じて最適な対処方法をお伝えいたします。
この問題の影響を受けるのは SG UTM ユーザーだけですか?
今のところ報告を受けているのは、Sophos UTM に関係する問題のみです。
また詳しい情報が入り次第、ただちにお知らせいたします。